病んでしまうと他の方法を考えられないほど追い詰められる

三浦春馬さんの自殺報道は多くの人にショックを与えました。彼が自殺であったことは確かですがうつ病だったかどうかはわかりません。

ただこういった自殺が起きると、健康な方からは「どうして自殺するんだろ？」とか、「さっさと辞めればいいんだ！」とか「なんで逃げないんだ！」とか当事者にとって無神経な言葉を投げかけられます。

その状況に陥った方でないとわからないんですが、できるだけわかりやすく伝えようすると・・・とにかく「それしか選択肢がない」という状況に追い込まれているんですよね。

それをツイートしたところ、結構な方にRTしてもらえました。

この事についてもうちょっと解説していきます。

三浦春馬さん限らず自殺する前に他の方法とか逃げるとかできなかったのかという話がいつも出ますが、そんな余裕は当人にはないんですよ...

だいぶ前だけどメンタル病んでいる人は他の方法を考えられないほど追い詰められているってイラストがありましたよね。こんな感じで pic.twitter.com/iSOetyu53s

— 🌤うつ解🌈@ネガ思考ハッカー (@c_crypto_study) July 18, 2020

”選択する余裕”がある健康な人

誰にだって辛いことはありますね。

• 仕事でミスをした
• 上司に叱られた、けなされた
• 嫌な人と会って気分が悪くなった
• 振られてしまって落ち込んだ

などなど・・・

とはいえ、健常な方であればこういった辛い事があった時、自己防衛のための「選択」ができます。

• 精神的に辛くなったから気分転換しようとか
• 友達に愚痴をいってスッキリしようとか
• 何もかも忘れるくらい運動したり筋トレしたり
• とりあえず忘れて寝よう！とふて寝したり
• 酒やタバコに逃げてしまう

かんたんに考えてもこれだけの自己防衛の選択肢があります。

そして健常な人はこういう方法を ”考える余裕”があり、考えた上で ”選択して実行する” 余力があるんです。

”選択する余裕”がないと極論に・・・

しかしうつ病などが酷くなっていたり、あるいはメンタルを病んでいなくても追い詰められてどうしようもなくなっている人は、余裕がないのです。

もう生きていることだけで一杯一杯です。

つまり自己防衛のため 「選択をしたり」「考えたり」「行動したり」そんな気力がすべて失われてしまっています。

考えることもできなくなってしまうのです。

考える力がなくなると複雑なことを思考できず、究極の極論である「死」に一気にたどり着いてしまうんです。

普通の人だったらいきなり死ぬことにたどり着くことはありませんね。違う考え方を見出そうとしたり、他者の意見を聞く、あるいは他者に助けを求めたりするなど防衛行動を行い、本能的な危機である「死」に行き着かないようにします。

しかし他のことを考える余裕が無くなっていると、死から離れようとするような考えを巡らすことはできません。複雑な思考ができなくなるのです。

ただただすべてを終わらせたい、楽になりたい、という一心しか考えられなくなります。複雑な事が考えられず、極論的な単純な考え方しかできなくなっていくのです。そして「もういいや」「諦めたわ」とか考えることも投げ出して、極論である「死」だけしか残らなくなってしまうのです。

「死」に行き着いたらそこで考えは終わりです。

余力がなくなってるので止めようとするストッパーも働かなくなり、実際に行動に移ってしまいます。そこでおわりです・・・

救いはないのだろうか？

私は人の深層心理の専門家ではないため、こういった追い詰められた人に対する最適な対処方法はわかりません。

そもそも追い詰められている時点でほとんど手遅れになっていることばかりです。

まずは追い詰められないようにすること。

当人は、ヤバい！と感じたらすぐ逃げることです。

先程も触れたように人は本能的に「死」を避けようと努力します。

追い詰められるような人もそれに至る前に何らかの”前兆”があります。体が理由もなく不調になったり、よくわからないけどできたことができなくなったり、顔は笑っているのに涙が止まらなくなったり、そういった時に「逃げる」選択をすることが最適だと思います。まだ選択する余力が残ってますから。

それを過ぎてしまうと他の選択をする余力がなくなるため「死」を選択することが多くなります。そうなったらあとは時間の問題です。

こうなってしまうと周りが強引にでも助けてあげないと厳しいのではないでしょうか。