うつ病

メンタル本レビュー:10年こじらせ脱うつ日記

独断と偏見の感想を述べるメンタル本レビュー。今回紹介するのは逢川里羅さんのエッセイマンガ「10年こじらせ脱うつ日記」

自分をAA猫のようなキャラで描く、うつ病の闘病日記です。

うつ解
絵柄がかわいいですね

10年こじらせ脱うつ日記の感想

作者のうつ病日記。あまり学べる知識はない。

 

作者はうつ病を10年以上体験しているうつ病を実体験した作者の回顧録

うつ病の体験記

このマンガはわかりやすく3部構成になっています。

マンガの構成

  • 1部:うつ病になった原因
  • 2部:うつ病をこじらせた原因
  • 3部:うつ病と向き合う方法

 

基本的にうつ病対策や対処法が書かれているのは3部だけです。

1部と2部はうつ病になった原因を振り返り、さらにうつ病が悪化することばかりが書かれているため作者も3部から見てもいいと言ってるくらいです。

 

作者について

マンガのあらすじ

この作者は元々二人組のマンガ家であったのですが、ワーカホリックと自虐しているように休むことをせずに働き続けた結果、限界点を超えてしまいうつ病になってしまいました。

しかしうつ病になったといっても漫画家という仕事上、急に仕事を止めると稼ぎが止まって死活問題になる上に相方がいるという状況も相まって、ずるずると仕事をつづけてしまったことが語られています。

 

うつ病を擬人化した表現

この漫画では自分を否定する自分を「うつにゃん」というキャラとして描き、自分がこのうつにゃん(自分)に否定されまくることを擬人化して表現しています。

コレは非常に面白く、わかりやすいですね。

うつ病になると頭の中にわいてくる

  • 本当は自分を否定したくない自分と
  • 自分を徹底的に否定してくる自分

まるで自分が二人いるような頭の暴走が擬人化されることによってわかりやすく表現できていると思います。

うつ病がわからない人に見せてもいいかもしれませんが・・・多重人格者と思われるかも・・・

頭の中に自分を否定するもう一人の自分が・・・

 

うつ病になってから”やったこと”が赤裸々に書かれている

この漫画のポイントはうつ病になった作者がうつ病を理解するため、うつ病を治したいがためにやった方法などを1つ2ページくらいで書いているところです。

やったことには良いこともあれば、失敗だったこともあります。

例えばうつ病でやってはいけない引っ越しという環境の変化を頻繁に行ったことや勝手な断薬などで悪化したことを反省していたり、座禅や瞑想をやって気分がよくなったから自己啓発をこじらせて逆に悪くなったり、鍼灸や漢方を試したりもしています。

作者が失敗したこと

  • 引っ越し
  • 断薬
  • 自己啓発に沼る
  • 自分を追い詰める
  • 否定的な考えに終始
  • 親の考えに振り回される

効果があった行為

  • 座禅や瞑想
  • 軽い部分での自己啓発
  • 漢方
  • 考え方を変える

 

親に否定された反骨心の描写が多い

この作者は母親との折り合いが悪く、母から漫画家になるという夢を否定されたことや、漫画家になってもそれを認めようとしないことに対して苛立っていることが描かれています。

描写されている母親像は作者の誇張がかなり入っているのか、かなり悪どく書かれています

描写された親のクソ発言

  • (マンガ書いていることに対して)そんな無駄なことを!
  • (漫画家に)あんたがなれるわけがない!
  • あんたに才能があるわけないやろ!

聞いただけではかなりの糞親ですね。

作者はこうした「母からの低評価」を覆したいがために、マンガを見返しの手段にしてしまっていることなども自白しています。

うつ病になった人に多い「親との確執」が垣間見えるものです。

とはいえ・・・正直な話この自分語りの話がやたら多くでうざったいです。

本人としては『自分はこんなに親から虐げられていたんだ』と言いたいのでしょうが、他人から見れば他人の家庭も他人の承認欲求もどうでもよいことです。エッセイ漫画である以上、自分語りが入るのは仕方ありませんがちょっと多すぎると思います。

 

うつ病の向き合い方描写は少ない

最後の3部には作者が語るうつ病との向き合い方が描写されています。

とはいえ、本書の主役になるこの部分が正直短いんですよね・・・

作者的には色々やってきた結果、脳科学、量子力学、自己啓発、スピリチュアル、どれも最終的には同じ方向に帰結することがわかり、『考え方を変える』という方法を取ることで自分の心の機嫌をとって自分で自分のバランスを取ることが結論になります。

このベクトルは私も同じだと思いますが・・・その部分がマンガになっていないんですよね。文字だけ・・・。

なぜこの部分をマンガで描写しないのかな?と疑問です。

せっかく作者が漫画家である以上、一番PR出来る部分なのになぁと感じました。

3部構成でありながら、本のキモであるこの3部の記述がものすごく物足りないです。

 

まとめ

このマンガは良くも悪くも、作者の個人的なうつ病の体験日記をマンガ化しただけに過ぎません。

なんらかの専門的な知識を持った人が書いているわけではないので万人に効果のある方法などは書かれていません。

あくまで”私はうつ病になってこういう体験をしたんだ”と振り返るものであり、他人がうつ病に対してどう向き合ったのか、どんな辛い体験をしていたのか、どうやって治そうとしたのか・・・を知りたい人が読めばいいくらいかなぁという評価ですね。

それこそうつ病の体験ブログともそう変わらないわけですし・・・。

 

10年こじらせ脱うつ日記に合う人

まぁ正直参考になる点は少なかったので・・・

  • 他人のうつ病闘病が気になる人
  • マンガが好きな人

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